2019/03/19
台湾の外国人介護の現状

台湾人経営者のところに4年半ぶりにご挨拶に。
叔父と親しかった方はもう90代半ばで訪問時も寝ておられたのでご挨拶できずでしたが、
会社の跡を継いだ娘さんが対応してくださり、色々と話をさせてもらいました。日本語ができる方なので、日本語で
「お茶を用意しますね。」
と言った後に、
「お茶を持って来て」
みたいなことを中国語で奥に向かって言った後に女性が現れたのですが、どうも家族というより使用人みたいな雰囲気であり、台湾人っぽい顔つきでは無かったので、
「彼女は台湾人では無いのですか?」
と聞いてみたところ、
「そうなのよ。彼女はベトナム人で3年前からおじいさんの世話をしてもらうために来てもらってるんです。前回の時にはいなかったですね。」
とのこと。
「おお、そうなのですね。ちょっと色々と質問させてください。」
ということで、彼女にベトナム語で色々と質問させてもらいました。
彼女はNghe An省出身の43歳の女性で、約9年間台湾で働いているそうです。9年前に台湾にやってきて、その後介護施設みたいなところで働いていたところ知人から紹介されてこの家に来たとのこと。子どもも2人いるそうですが、既に成人していて、一人はホーチミンで働いているそうです。
ベトナムに戻るのは年に1,2回でほとんどは台湾のこの家で働いているし、買い物や洗濯、掃除などの身の回りのこともしてくれるそうで、もはや家族同然の使用人みたいな存在になっているようです。
娘さん曰く、彼女が会社を継いで働いており、平日はおじいさんの世話をするのが難しい中、ベトナム人女性がほぼ住み込みで世話をしてくれるのは本当にありがたいとのこと。
台湾では、親の老後は子どもが面倒を見るものというのが基本で、介護施設に入れるのは「不孝」に当たるという考え方が強いようです。日中働いていて世話ができないから介護施設に入れようとしたら、親から「不孝者だ」と言われるのが何よりも辛いことのようで、そんな中で外国人介護労働者が住み込みで面倒を見てくれることで、在宅で親を世話することができるのは非常にありがたい事のようです。
台湾ではインドネシア人、フィリピン人、ベトナム人が介護に当たっていることが多いそうで、近年はインドネシア人、ベトナム人が特に多いとのこと。ちなみにベトナム人女性は1か月3万台湾ドル(約11万円)で働いているそうです。
台湾では外国人が労働者ビザで働いている人で約67万人(2017年)、そんな中で介護分野だけでも25万人程度の外国人が働いているそうです。
インドネシア人、ベトナム人、フィリピン人あたりが多いようで、台湾の中に各国出身者のコミュニティもしっかり出来上がっているようです。確かに日曜日に繁華街でムスリムの服装をした女性グループをいくつか見かけましたが、休みの日に同郷の仲間と楽しく過ごしていたのでしょうね。
介護以外にも建築はじめ様々な職場で働きながら、みんな母国にいる家族のためにお金をためて送金しているようです。
ルールの問題だけでなく、文化の違いや住宅事情の違いもあり、日本ではなかなか住み込みの外国人介護労働者の受入れは進まないかと思われますが、今年の春以降、改正入管法により特定技能労働者として介護分野にもベトナム人やフィリピン人労働者が一気に増えることが予想されてますし、
労働人口が年々減っていく日本において、もはや外国人労働者の受入れしなければ、これまでと同じ生活・サービス水準を維持するのすら難しくなってくる中で、今回の入管法改正となったのだと思いますが、今までにほとんど外国人と接したことも無かった日本人が、同じ地域で働いたり、居住する外国人労働者とどう付き合っていくのかというのは大きな課題です。
そんな中で台湾の現状というのは日本の外国人労働者受け入れにおいて非常に参考になる気がしました。