2020/03/21
肺炎で人工呼吸器つけたら、どれくらい回復が大変かって話
メディアの報道などで、
「今回のコロナウイルスの重篤化(人工呼吸器つけないといけない状態)する人はせいぜい1割で、亡くなるのは2~3%で高齢者ばかりだから、若者はあまり怖がらなくて良い」
みたいな意見がありますが、肺炎は重篤化して人工呼吸器つけて回復してもその後の後遺症やリハビリが相当きついです。重篤化して人工呼吸器つけないといけなくなるとどれくらいきついかを僕の経験談を通じてお伝えしようと思います。
既にこのブログなどでご覧くださっている人もいるかと思いますが、僕は2017年12月に肺炎が重篤化し生死を彷徨い約10日ほど人工呼吸器のお世話になりました(いわゆる挿管状態)。
人工呼吸時は身体を動かすどころか、起き上がることさえ出来ない状態で、ようやく管が取れて、リハビリかねてトイレに自力で行ってよいですよってことになり、喜んでトイレに行こうとしたのですが、ベッドから降りた瞬間に大変
もはや、自分の身体では無くなってしまっていました。
そこから退院まで2,3日、懸命のリハビリを行ったのですが、それはもう壮絶なものでした。
それだけ頑張って退院し、日本に戻ろうとしたのですが、空港内をまともに歩くことすらできず、車椅子で移動することに。ほんと、たった3cmの段差あるだけで、バランス崩れるくらいなんです。
これくらい体力って落ちるものなんです。
日本での再度の入院が終わり、退院以降、この落ちた体力を取り戻すために散歩等々色々と取組みました。退院して数日後に最初に地下鉄の階段を20段ほどトレーニングのために登ってみたのですが、登りきった瞬間、心臓が口から飛び出るんじゃないかってくらいに心臓がバクバクしてて、5分間くらいまともに動けない状態。
「うわぁ、この体力の落ち方、本当にヤバイ」
って実感した瞬間でした。ただ、これを繰り返さないと体力・筋力は戻らないってことで、毎日最寄り駅まで歩いて行って階段の昇り降りを繰り返し、少しずつ筋力を戻していきました(もちろんそれ以外にもいろいろと行いました)。
言葉で表すと理解しにくいかもしれないですが、学生時代に運動系のクラブに所属されてて、練習で400m走とか600m走というトレーニングを積まれた経験のある人だったら分かると思いますが、あれを毎日何本もこなすくらいのきつさです。
キャプテンのみが本日の本数を知っていて、しかも一定基準をクリアできなかったらアゲインみたいな地獄のようなトレーニングをしてるような時の感覚。
登ってる最中ですら心臓バクバク、頭がグラグラして意識失いそうなくらいのきつさで、ただただ先に見えるゴールだけを見据えて登り続け、終わったら、何の言葉も発したくない状態で2~3分休み、再び地下鉄の階段を下りて、もう一度チャレンジする。
これを毎日5~10本程度繰り返しました。これだけやってようやく2週間位したら、地下鉄の階段を登りきっても少し息が上がるものの支障なく登れるレベルに。日常のごくごく当たり前の行動に必要な筋力を元に戻すだけでこれくらいのリハビリトレーニング必要なんです。
10日も人工呼吸器つけた状態まで体力落ちるとこれくらいやらないと筋力なんて戻っていかないんですよ。
そして、入院から1ヵ月後くらいにようやくベトナムに戻ったのですが、実家~空港~ホーチミンの自宅という普段ならなんてこと無い移動を行っただけで到着したらもうグッタリ。
何とかその3日後から会社に出勤したのですが、あまりにも体力が落ちすぎていて、当初は1日5時間程度の時短業務でもグッタリ。本当に1日8時間働けるようになるのに3ヶ月以上かかりました。
そして、感覚的なものですが病気前と同じくらいの体力に戻ったなというのはだいたい1年半かかりました。ちなみに僕は病気した時、42歳ですので。
僕の経歴知らない人がほとんどでしょうからお伝えしますと、大学までずっと体育会(そこそこ強いチームでした)でラグビーしてて、卒業後も数年間は社会人チームでプレーしてて、辞めてからもある程度運動続け、40代なっても週に2,3回はジムに行き、ゴルフも月1,2回はこなしてました。それでも10日間人工呼吸器つけてるとこれくらい体力落ちます。
ウェートトレーニング経験者なら分かる話としてお伝えしますと、入院前、僕はベンチプレス80kg×10回くらいはこなせるだけの筋力がありました。それが退院し、ベトナムに戻ってきて1週間くらいして始めてジムに行ったときにできたのは40kg×5回。
あまりの筋力の衰えにジムのオーナーが、
「お前、最近来てなかったけど、いったい何があったんだ?」
と思わず駆け寄ってくるレベル。
20代はもう少しましかもしれませんが、30代40代で重篤化すると体力回復までほぼ同じような状態になると思います。60代とか70代で同様の状態になると、仮にコロナウイルス肺炎は治っても、100%元通りの日常生活送るのすら難しいと思います。
体力面での回復にはこれくらいかかったものの何とか回復しましたが元には戻りました。ただ、2つの後遺症はいまだに残っています。
1つ目は腎臓への後遺症。肺炎になった時、多臓器不全状態&かなり強い抗生物質を大量に入れた状態で、僕の腎臓は完全に潰れてしまったようです。退院直後の腎臓の数値は辛うじて人工透析を受けなくても良いくらいのレベル。
腎臓というのは一度悪くなると元に戻らないそうで、病院の腎臓内科の先生からは
「10年は何とか人工透析せずにいきたいねぇ」
みたいなことを言われるような状態でした。
ただ、先生の予想を大きく裏切ってくれてかなり回復し、一般成人の半分くらいの機能までは回復してくれたので、多少の食事制限はあるものの何とか日常生活は送れている状態です。ただ、この食事制限はほぼ一生続きます。
そして、もう一つが三半規管。肺炎が重篤化し、血圧が上が39まで下がってしまったのですが、その時に耳に血液が上手く流れず、おかしくなってしまったようです。
退院した当初は何かふわふわすると思っていて、筋力が落ちたからなのかなぁと思っていたのですが、筋力が戻っても全く変わらず、退院から1ヶ月以上たってもちょっとした段差を降りるだけで落とし穴にでも落ちたくらいに脳が揺れる状態で、これは何かおかしいということであちこちの耳鼻科等々行ってみたのですが、結論としては時間が治してくれるだろうとのこと。
そこから2年経ちましたがいまだに多少は残ってます。その関係で時々ジムに行く以外ゴルフ含めて運動は全て止めています。この後遺症もかなり長く続きそうです。
ちなみに僕の主治医が治療を開始するに当たり、付き添いの友人に迫ったのが、
「この人は仮に生き延びたとしても50%くらいの確率で半身不随以上の後遺症が残るから、仮にそうなっても病院の責任じゃないという書類にサインして欲しい」
らしいです。友人がそんな重たい書類にサインしてくれたから今があります。
とここまで長い僕の体験談を読んでくださった皆さん、今回のコロナウイルスは若い人は重篤化しにくいし、死亡率低いとはいえ、重篤化が若いから仮にかかっても10%程度だとしても、10%の確率でこれくらいの後遺症に陥るのですが、それでも気にせず外出されます?
もう一度、感染しないように行動を見直してもらえたらなというのが正直なところです。今は外出するより家で過ごして出来る限り感染可能性を減らして頂けたらと思います。
世界中にここまで感染が広がってしまっているため、世界中が元通りの経済状態に戻るのは数年以上かかるでしょうし、ワクチンが開発されない限り、元通りの姿には戻らないかもしれないですが、元気に生きていくことができれば、いつか経済は今と違う形になったとしても復活しそこで活躍することはできるはずですので。
何とかそこまで皆さん助け合いながら耐え抜きましょう。
「今回のコロナウイルスの重篤化(人工呼吸器つけないといけない状態)する人はせいぜい1割で、亡くなるのは2~3%で高齢者ばかりだから、若者はあまり怖がらなくて良い」
みたいな意見がありますが、肺炎は重篤化して人工呼吸器つけて回復してもその後の後遺症やリハビリが相当きついです。重篤化して人工呼吸器つけないといけなくなるとどれくらいきついかを僕の経験談を通じてお伝えしようと思います。
既にこのブログなどでご覧くださっている人もいるかと思いますが、僕は2017年12月に肺炎が重篤化し生死を彷徨い約10日ほど人工呼吸器のお世話になりました(いわゆる挿管状態)。
2017/12/24
人工呼吸時は身体を動かすどころか、起き上がることさえ出来ない状態で、ようやく管が取れて、リハビリかねてトイレに自力で行ってよいですよってことになり、喜んでトイレに行こうとしたのですが、ベッドから降りた瞬間に大変
2018/01/05
もはや、自分の身体では無くなってしまっていました。
そこから退院まで2,3日、懸命のリハビリを行ったのですが、それはもう壮絶なものでした。
価格:3,500円 |
それだけ頑張って退院し、日本に戻ろうとしたのですが、空港内をまともに歩くことすらできず、車椅子で移動することに。ほんと、たった3cmの段差あるだけで、バランス崩れるくらいなんです。
2018/01/15
これくらい体力って落ちるものなんです。
日本での再度の入院が終わり、退院以降、この落ちた体力を取り戻すために散歩等々色々と取組みました。退院して数日後に最初に地下鉄の階段を20段ほどトレーニングのために登ってみたのですが、登りきった瞬間、心臓が口から飛び出るんじゃないかってくらいに心臓がバクバクしてて、5分間くらいまともに動けない状態。
「うわぁ、この体力の落ち方、本当にヤバイ」
って実感した瞬間でした。ただ、これを繰り返さないと体力・筋力は戻らないってことで、毎日最寄り駅まで歩いて行って階段の昇り降りを繰り返し、少しずつ筋力を戻していきました(もちろんそれ以外にもいろいろと行いました)。
言葉で表すと理解しにくいかもしれないですが、学生時代に運動系のクラブに所属されてて、練習で400m走とか600m走というトレーニングを積まれた経験のある人だったら分かると思いますが、あれを毎日何本もこなすくらいのきつさです。
キャプテンのみが本日の本数を知っていて、しかも一定基準をクリアできなかったらアゲインみたいな地獄のようなトレーニングをしてるような時の感覚。
登ってる最中ですら心臓バクバク、頭がグラグラして意識失いそうなくらいのきつさで、ただただ先に見えるゴールだけを見据えて登り続け、終わったら、何の言葉も発したくない状態で2~3分休み、再び地下鉄の階段を下りて、もう一度チャレンジする。
これを毎日5~10本程度繰り返しました。これだけやってようやく2週間位したら、地下鉄の階段を登りきっても少し息が上がるものの支障なく登れるレベルに。日常のごくごく当たり前の行動に必要な筋力を元に戻すだけでこれくらいのリハビリトレーニング必要なんです。
10日も人工呼吸器つけた状態まで体力落ちるとこれくらいやらないと筋力なんて戻っていかないんですよ。
そして、入院から1ヵ月後くらいにようやくベトナムに戻ったのですが、実家~空港~ホーチミンの自宅という普段ならなんてこと無い移動を行っただけで到着したらもうグッタリ。
何とかその3日後から会社に出勤したのですが、あまりにも体力が落ちすぎていて、当初は1日5時間程度の時短業務でもグッタリ。本当に1日8時間働けるようになるのに3ヶ月以上かかりました。
そして、感覚的なものですが病気前と同じくらいの体力に戻ったなというのはだいたい1年半かかりました。ちなみに僕は病気した時、42歳ですので。
僕の経歴知らない人がほとんどでしょうからお伝えしますと、大学までずっと体育会(そこそこ強いチームでした)でラグビーしてて、卒業後も数年間は社会人チームでプレーしてて、辞めてからもある程度運動続け、40代なっても週に2,3回はジムに行き、ゴルフも月1,2回はこなしてました。それでも10日間人工呼吸器つけてるとこれくらい体力落ちます。
ウェートトレーニング経験者なら分かる話としてお伝えしますと、入院前、僕はベンチプレス80kg×10回くらいはこなせるだけの筋力がありました。それが退院し、ベトナムに戻ってきて1週間くらいして始めてジムに行ったときにできたのは40kg×5回。
あまりの筋力の衰えにジムのオーナーが、
「お前、最近来てなかったけど、いったい何があったんだ?」
と思わず駆け寄ってくるレベル。
20代はもう少しましかもしれませんが、30代40代で重篤化すると体力回復までほぼ同じような状態になると思います。60代とか70代で同様の状態になると、仮にコロナウイルス肺炎は治っても、100%元通りの日常生活送るのすら難しいと思います。
体力面での回復にはこれくらいかかったものの何とか回復しましたが元には戻りました。ただ、2つの後遺症はいまだに残っています。
1つ目は腎臓への後遺症。肺炎になった時、多臓器不全状態&かなり強い抗生物質を大量に入れた状態で、僕の腎臓は完全に潰れてしまったようです。退院直後の腎臓の数値は辛うじて人工透析を受けなくても良いくらいのレベル。
腎臓というのは一度悪くなると元に戻らないそうで、病院の腎臓内科の先生からは
「10年は何とか人工透析せずにいきたいねぇ」
みたいなことを言われるような状態でした。
ただ、先生の予想を大きく裏切ってくれてかなり回復し、一般成人の半分くらいの機能までは回復してくれたので、多少の食事制限はあるものの何とか日常生活は送れている状態です。ただ、この食事制限はほぼ一生続きます。
そして、もう一つが三半規管。肺炎が重篤化し、血圧が上が39まで下がってしまったのですが、その時に耳に血液が上手く流れず、おかしくなってしまったようです。
退院した当初は何かふわふわすると思っていて、筋力が落ちたからなのかなぁと思っていたのですが、筋力が戻っても全く変わらず、退院から1ヶ月以上たってもちょっとした段差を降りるだけで落とし穴にでも落ちたくらいに脳が揺れる状態で、これは何かおかしいということであちこちの耳鼻科等々行ってみたのですが、結論としては時間が治してくれるだろうとのこと。
そこから2年経ちましたがいまだに多少は残ってます。その関係で時々ジムに行く以外ゴルフ含めて運動は全て止めています。この後遺症もかなり長く続きそうです。
ちなみに僕の主治医が治療を開始するに当たり、付き添いの友人に迫ったのが、
「この人は仮に生き延びたとしても50%くらいの確率で半身不随以上の後遺症が残るから、仮にそうなっても病院の責任じゃないという書類にサインして欲しい」
らしいです。友人がそんな重たい書類にサインしてくれたから今があります。
とここまで長い僕の体験談を読んでくださった皆さん、今回のコロナウイルスは若い人は重篤化しにくいし、死亡率低いとはいえ、重篤化が若いから仮にかかっても10%程度だとしても、10%の確率でこれくらいの後遺症に陥るのですが、それでも気にせず外出されます?
もう一度、感染しないように行動を見直してもらえたらなというのが正直なところです。今は外出するより家で過ごして出来る限り感染可能性を減らして頂けたらと思います。
世界中にここまで感染が広がってしまっているため、世界中が元通りの経済状態に戻るのは数年以上かかるでしょうし、ワクチンが開発されない限り、元通りの姿には戻らないかもしれないですが、元気に生きていくことができれば、いつか経済は今と違う形になったとしても復活しそこで活躍することはできるはずですので。
何とかそこまで皆さん助け合いながら耐え抜きましょう。
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Posted by いのっち at 12:33│Comments(0)
│ベトナム肺炎入院生活