2014/08/11

カンボジア戦記

ベトナムのことをより深く理解するにはお隣の国、カンボジアのことも理解しておかないとということで、

カンボジアの内戦時代の経緯が描かれた本を読んでみました。

クメールルージュ時代の様々な出来事、ポル・ポト自身の生い立ちや、シアヌーク国王の活動とそれらに対するベトナムとの絡みなど知らないことばかりでした。




カンボジア内戦はベトナムも自国の国防に関わるため自ら侵攻してどちらかと言えば一方的に悪く書かれている本もありますが、実はその前にポル・ポト軍がタイニン省に攻撃を仕掛けてきていたことが伏線になっていたということや、

兵士を駐留させヘンサムリン政権を上手くコントロールしながらも、ソ連の援助が削られ自国内の経済の困窮によって、兵士を駐留させておくのが苦しくなり、撤退せざる得ない状況になっても、粘り強く上手く交渉している経過が記されていたり、

経済困窮の一因が国営企業への過剰な支援だけでなく、公務員に対する物資の購入の価格優遇もあったなどと、今のベトナムに住んでいてもなかなか分からない事情が書かれていて、非常に面白かったです。

また、この時代のアセアンにおける日本の微妙な立ち位置も随所に記されている中で、PKOはじめカンボジア復興に向けた活動に対し、シンガポールのリークワンユーさんが過敏に反応している発言など、20年前と今では日本の評価も大きく違うんだなと改めて実感です。

シンガポールは特に第2次大戦時に日本軍が華僑の人をかなり殺害したりもしているようなので、それを目の前で見ている現役世代がまだまだ世の中の中心にいた時代、日本が幾ら見事に復興し、平和な国になっていても心から信頼されるところまでは至ってなかったのでしょうね。

直接面識はないですが、高校の先輩に中田厚仁さんがいらっしゃり、国連ボランティアとして活動中に殺害されたので、カンボジアのPKOについては個人的に関心があったのですが、そのPKO活動に至る前に、10年近くにわたる長い交渉があったことなど全然知らず相変わらず不勉強だなと反省です。

カンボジアから見たベトナム、東南アジアから見た日本、

一歩立場を変えて物事を見てみるということも非常に大事だなぁと改めて実感する本でした。

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生き場を探す日本人(2014-05-12 19:51)


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