2015/11/10

海外子会社の初代立上げ駐在者に求められる役割と重要性

1年くらい前にあるメコンデルタ地域のど田舎の地域で省内唯一の日系企業として頑
張っておられる企業にお邪魔し、お話を伺ったことがあります。

その省は正直なところ、省都ですら日本人は住むのは相当きついレベルの田舎で日本
食が無いのはもちろん、唯一日本酒が飲めるのは街で一番大きなホテル(3つ星)に
ある中華料理の店、

街唯一の商業施設はコープマートで、街唯一のファーストフードはコープマート内に
あるロッテリア、

という省都から30km位離れた場所に工場がありました。ちなみにホーチミンまでは約5時間
かかります。そして、その工場敷地内で駐在者は暮らしておられました。

現在ですらそのレベルの場所に、その企業は約15年前に工場を設立し、以来稼働してい
るのですが、お話を伺い、現在、日本人が駐在できるのは初代立上げ責任者の方の功績
が大きいなぁと感じたのでちょっとご紹介。

彼はその当時、何をしたかと言うと、最初の赴任時から約1年間、奥様を連れて現地
に赴任され、彼は工場の立ち上げ、奥様は日本人が住める環境の整備に取り組まれた
そうです。住める環境の一番の部分は、日本食が作れるコックさんの育成。

当時ホーチミンですら日本食が作れるコックがほとんどいなかった時代で、日本の調
味料なども手に入れるにはホーチミンまでいかないといけなかった時代に、

彼女は市場などをコックの人とウロウロしながら、一緒に様々な食材を仕入れ、そし
て料理を試行錯誤し、レシピを作り上げコックを育成し、日本に帰っていったそうです。

今の駐在者はそのレシピとコックがいるので、ある程度の日本食を作ってもらえるた
め、日々過酷な環境でも暮らしていけるとのことでした。

もちろん、そんな場所に来てくださった奥様は本当に偉大な方であったのは言うまでも無く
間違いないです。15年前にその後の後任者のことも考え、最初に自分の家族まで動員して、
環境を整備した彼の功績は大きいです。

これは極端な例かもしれないですが、実際立上げ責任者として赴任する方の役割って
本当に重要です。会社に軌道に乗せるのはもちろんのこと、

たとえば、初代の方がどれだけ社員教育をきちんと行っているかで、2番目以降の赴
任者は断然仕事がしやすいメンバーになります

たとえば、初代の方がどれだけ会計や在庫管理、社内のルール整備などをきちんとしているか
どうかで、2番目以降の人は管理部門のトラブルが一気に減ります

たとえば、初代の方が家賃などの設定や赴任手当をいかにきちんと設定してくれている
かで2番目以降の方は全然生活環境が変わります

などなど、慣れない外国での仕事で最初はストレスだらけの駐在者にとって次の駐在者
が仕事しやすい環境、生活しやすい環境を作り上げることが求められている初代立上
げ駐在者の功罪は大きいです。

初代立上げ駐在者がどんなハードな環境でも耐えられるすごい方であっても、同じハードな
環境に次の人が暮らせるとは限らない中、いかに誰でも上手く駐在し、成果をあげられる
ようにするか、

何年先、何代先の赴任者のことまで考えて仕事ができるか、初代立上げ駐在者に求め
られる役割は非常に大きいですね。




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Posted by いのっち at 14:54│Comments(0)
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